日本の水道水は安全? 水道管の老朽化やPFAS問題が心配?
世界中で水道のお水がそのまま飲める国は10数カ国しかないと言われています。
というのも、世界の国々ではそもそも降水量が少なく、十分な水源が確保できなかったり、生活排水や工業廃水で水質が悪かったり、農薬で水が汚染されていたりするところが大半だからです。
また、水道インフラを整備するためには莫大な投資が必要で、その財源を確保することが現実的ではない国々も多いようです。
水道法で定めれれている水質基準
日本の水道法では清浄な水が供給されるように厳しい水質基準が定められており、全国の水道事業者はこの水質基準に適合した水を配給するように法律で義務付けられています。
具体的な水質基準の項目は「健康に関連する項目」29項目や、「水道水が有すべき性状に関連する項目」17項目。そして、水質基準を保管する「快適水質項目」13項目と「監視項目」35項目になります。
各項目では、鉛やカドミウムやヒ素といった重金属やトリハロメタンやフッ素などの無機物質や有機物質の基準値が定められていて、浄水場では、砂や砂利でろ過して不純物を取り除き、薬剤で汚れを除去します。
また、河川や湖の水には様々な病気の原因になる大腸菌や一般細菌などの微生物が含まれており、次亜塩素酸ナトリウムなどの塩素処理をすることによってそれらを死滅させています。
塩素の働きと残留塩素の肌や髪へのダメージ
消毒処理に使われる塩素には、インフルエンザウイルスやノロウイルスといった微生物の細胞膜も破壊して死滅させる強い殺菌力があります。
水道法では、この強い殺菌力をもつ塩素の濃度が高くなりすぎないように、水道の給水口のところの残留塩素濃度を0.1mg/L以上、1mg/L以下になるように定めており、水道水の飲水としての安全性が保たれています。
この残留塩素濃度はできるだけ低いほうが塩素臭の少ない美味しい水ということになり、東京都のように、0.4mg/Lの残留塩素濃度を「おいしい水の目標値」としているところもあるようです。
水道水中の塩素濃度は時間が経つにつれ次第に下がってきますので、、自治体によっては残留塩素濃度の既定値を満たしながらできるだけ残留濃度の低いお水を配給できるよう、中継設備の数を増やして各利用者までの距離が短くなるようにしているところもあります。
一方で、浄水場や中継設備の近いところでは比較的残留塩素濃度は高くなってしまう傾向があります。
また、地域や季節によって様々な要因で水質は変わります。
水質が悪くなると塩素が追加投入され、目標値よりも多くの残留塩素が残ってしまい塩素の影響が強くなってしまう場合があります。
水道水には健康に影響がないと決められた量の塩素が投入されているため、体にとって悪い影響はありませんが、残留塩素の影響でお水がクサく臭ったり、髪や肌へダメージを与えてしまうケースは少なからずあります。
水道設備の老朽化による水の汚れ深刻化
2024年3月には茨城県大洗町で町の全域に及ぶ世帯で断水や水が濁るといった事態が発生し、復旧までに2日間近くかかってしまい、水道管の老朽化問題が顕在化しました。
全国各地で1980年代に大規模で設備された水道設備や水道管の耐用年数が迫ってきていることに加え、保守点検や設備取り換えを担う水道事業職員の高齢化などによる人材不足が老朽化に拍車をかける状況になっています。
また、水道事業は独立採算制での運用のため、人口減少による水道収入の減少による財源不足も大きな要因になっているようです。
水道設備や水道管が老朽化することによって発生する赤サビや不純物も同時に配給されてしまうリスクが高くなってきているのが現状です。
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2024年はPFASが新たな問題に
2024年夏には、発がん性などの健康への影響が懸念されるPFAS(ピーファス)が全国の河川や地下水などから相次いで検出され新たな社会問題になってきました。
PFASは永遠の化学物質と呼ばれ自然界では消滅しにくい有機フッ素化合物とのことで、高いPFASの値を検出した自治体では急遽住民の血液検査を行うといった事態になっています。
現在、「PFASを除去するためには活性炭を用いた浄水器等でろ過することが有効」という専門家のアドバイスに注目が集まっています。
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